地中海で史上最高エネルギーのニュートリノを観測――宇宙の起源に迫る新たな一歩
未完成の水中望遠鏡が史上最も高エネルギーなニュートリノを捉え、宇宙の極限現象への理解が進む可能性が高まっている。
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2023年2月13日、地中海の深海で欧州連合が支援する水中望遠鏡「KM3NeT(キュービック・キロメートル・ニュートリノ望遠鏡)」が、これまでで最も高エネルギーとされるニュートリノを観測した。科学者たちはこの発見に大きな期待を寄せており、宇宙の深奥に迫る重要な手がかりになる可能性があると注目を集めている。
このニュートリノは「ゴースト粒子」とも呼ばれ、物質との相互作用が極めて少ないため観測が困難だが、今回の高エネルギー個体は、ガンマ線バーストや超大質量ブラックホールから放出された可能性のほか、超高エネルギー宇宙線が宇宙マイクロ波背景放射(CMB)と衝突して生じた可能性もあるという。特に後者は、宇宙初期の物理環境や高エネルギー天体現象の理解において、極めて重要な意味を持つとされている。
さらに注目すべきは、この観測を行ったKM3NeT望遠鏡がまだ完全に建設されていないという点だ。完成すれば、さらなる高エネルギー現象の解明に貢献することが期待される。アムステルダム大学のポール・デ・ヨング氏(KM3NeTのスポークスパーソン)は、「この現象を観測できたことに興奮しており、さらに多くの発見を待ち望んでいます」と述べている。
この発見は、宇宙の構造や起源、そして高エネルギー物理に関する理解を大きく前進させる可能性を秘めており、今後の研究の進展が世界中で注目されている。
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