AIとメタ表面が障害物を回避してテラビット無線速度を実現する道を開く

無線通信の超高周波帯は、壁や人などの障害物によって信号が崩れやすく、膨大な帯域幅を提供する可能性がありながらも、障害物に直面するとすぐに停止してしまいます。しかし、プリンストン大学のエンジニアたちは、AIとメタ表面を組み合わせた新しいアプローチにより、これらの障害物を回避してテラビット速度を達成する可能性があることを示唆しています。

これまで、信号を曲げて障害物を回避する技術は研究されてきましたが、無線通信への応用には実用的な限界がありました。例えば、制御された方法で曲がることができる「エアリービーム」と呼ばれる技術が使われてきましたが、現実の通信環境で活用するには困難が伴いました。

今回の研究では、AIと機械学習を活用したニューラルネットワークが、無数のバスケットボールシュートをシミュレートすることで、信号を障害物を避けるように曲げる方法を学習しました。さらに、メタ表面を送信機に統合することで、信号を極めて精密に制御することが可能となり、実用化への道が開けました。

ただし、この技術が実世界に展開されるまでにはまだ不確実性もあり、実験から実用化への大きな飛躍が求められます。