英国国家犯罪庁、老朽化ITシステム依存で機能低下と監察機関が警告

【ロンドン発】英国の警察・消防救助サービス監察機関（HMICFRS）は、国家犯罪庁（NCA）のITシステムに関する監査報告を発表し、その深刻な問題点を明らかにした。報告によると、NCAは依然として老朽化したレガシーシステムに大きく依存しており、予算の約80％がこれらの維持に費やされているという。

監察機関は、この状況がNCAの効率性と信頼性を大きく損なっていると指摘。特に、サイバー犯罪や国際的な犯罪組織への対応が求められる中、現行システムの脆弱性は深刻なリスクにつながると警鐘を鳴らしている。

HMICFRSは、NCAに対し包括的な改善計画を策定し、現代的で安全なIT基盤への移行を急ぐ必要があると強調。英国の治安維持において不可欠な役割を担うNCAにとって、この改革は急務だと結論づけた。