数学者、自己貫通できない初の立体「ノパートヘドロン」を発見 ― 数世紀の謎に終止符
数学者が初めて自己貫通できない立体「ノパートヘドロン」を発見し、300年以上の数学的謎を解明した。
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数学者のヤコブ・スタイニンガー氏とセルゲイ・ユルケビッチ氏は、自己貫通できない初の立体「ノパートヘドロン」を発見したと、8月にオンラインで公開された論文で発表した。この立体は90の頂点と152の面を持つ。
この発見は、17世紀末にライン川のルートヴィヒ・ルパート公が立方体が別の立方体に開けられたトンネルを通り抜けられることを証明して賭けに勝ったことから始まった数学上の問題に対する解答となる。数学者ジョン・ウォリスは1693年にこの事実を数学的に確認している。この特性は「ルパートの性質」と呼ばれる。
1968年にはクリストフ・スクリーバが四面体と八面体もこの性質を持つことを証明した。その後の研究で、過去10年間で正十二面体や正二十面体を含む多くの対称多面体にルパートトンネルが存在することが確認されていた。これまで数学者たちは、すべての凸多面体がルパートの性質を持つと予想していたが、「ノパートヘドロン」の発見により、この予想が初めて覆されたことになる。
この成果は、幾何学や立体の理論における長年の未解決問題に終止符を打つ重要な発見として注目されている。