米運輸省の規制が自動運転トラック技術の進展を阻む　オーロラインノベーションが直面する壁

【ワシントン】米国の自動運転トラック企業「オーロラインノベーション（Aurora Innovation）」が、連邦運輸省（DOT）の古い規制によって事業拡大に苦戦している。Reason.comの報道によると、同社は重量級の商用自動運転トラックを初めて公道で運行した企業であり、年末までにテキサス州エルパソやアリゾナ州フェニックスへのルート拡大を目指している。

しかし、自動運転トラックの「故障時の安全措置」に関する旧来の連邦規則が、この技術革新の足かせとなっているという。現行の規定では、トラックが故障して停車した際、運転手が10分以内に車両周囲の特定の位置に3つの反射式警告コーンや発炎筒を設置することが義務づけられている。

オーロラ社はこれに対し、物理的なコーンではなく、車体に取り付けた警告ビーコンを自動的に点灯させる方式への変更をDOTに申請した。ビーコンは前後両方向に光を放ち、特に夜間には従来の発炎筒よりも視認性が高く、燃え尽きる心配もない。

しかし、この提案は現行法規との整合性を理由に承認されておらず、同社の自動運転技術普及の妨げとなっている。専門家は「安全規制が時代遅れのままでは、次世代の交通革新が進まない」と指摘しており、連邦政府の対応が注目されている。