ケーブル不足がクリーンエネルギー移行の障害に

クリーンエネルギーへの移行を支える高電圧電力ケーブルの供給不足が深刻化している。製造施設は数年先まで予約で埋まり、需要が供給能力を大きく上回っている状況だ。エネルギー移行、貿易障壁、送電網の老朽化による更新遅れが、風力発電所や太陽光発電、国境を越える電力ネットワークを結ぶ高度なケーブルへの需要を急増させている。国際エネルギー機関（IEA）は、クリーンエネルギー目標を達成するために2040年までに8,000万キロメートルの送電網インフラを構築する必要があると推定しており、これはこれまでの1世紀かけて築かれた世界の既存送電網をわずか15年で再構築するに等しい。高電圧ケーブルはカスタム設計が必要で、専門の200メートル級の生産設備で数ヶ月かけて製造される。製造業者によると、主要プロジェクトの80〜90％が従来の交流システムではなく高電圧直流技術を採用しているという。