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グラフェン干渉計で任意粒子の絡み合いとテレグラフ雑音を観測

グラフェン干渉計を用いて、量子ホール状態における任意粒子の絡み合い位相をリアルタイムのテレグラフ雑音から観測し、その位相変化を再現した

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分数量子電荷と特殊な交換統計を持つ準粒子「任意粒子」の探索は、長年にわたり凝縮系物理学の重要な研究テーマとなっている。量子ホール干渉計は、局所化した準粒子の数が変化する際に生じる離散的な干渉位相のジャンプを通じて、任意粒子の絡み合い位相を直接観測できる装置として注目されている。

本研究では、充填因子1/3および4/3の分数量子ホール状態において、リアルタイムでの三状態ランダムテレグラフ雑音(RTN)を解析し、絡み合い位相の観測に成功した。観測されたRTNは、任意粒子の数の変動に起因しており、n(mod 3)の任意粒子を回る絡み合いによる3つの干渉経路に対応する、位相が2π/3ずつずれた3つのアハロノフ・ボーム振動信号を再構成した。

この手法は、非アーベル任意粒子の干渉観測へも容易に応用可能であり、将来的な量子情報処理やトポロジカル量子計算の基盤技術として期待される。