米国の終身在職科学者、研究成果の影響力低下を示す
米国の終身在職科学者は、斬新な研究を行う一方で、その影響力は低下する傾向があることが研究で明らかになった。
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米国の終身在職制度にある科学者は、より斬新な研究を行う一方で、研究の影響力は低下する傾向があることが、新しい研究で明らかになった。この分析は、15の学問分野にわたる12,000人以上の学者の論文成果を対象に行われたもので、終身在職前の研究活動のピークは、恒久的なポジションを獲得する前年に集中することも示された。
イリノイ州ノースウェスタン大学のジョルジョ・トリポディ教授が率いるデータサイエンスチームによるこの研究では、科学者の論文発表の歴史を終身在職の5年前から5年後まで追跡した。結果として、終身在職前に発表数が急激に増加し、取得前年にピークを迎え、終身在職後は平均的な発表数がそのピーク付近で安定するパターンが再現性高く確認された。
トリポディ教授は、「米国の学術制度における終身在職は非常に特異な契約であり、比較的長い試用期間の後に恒久的な任命が与えられる。この制度は、研究成果を最大化し、終身在職トラック期間中に失敗する可能性の高いプロジェクトを避ける強いインセンティブとなっている」と説明している。